ムカシノオトコ
あ……変わってない。
腹も出てない。
ましてや、禿げてなんかいない。
同窓会で、
当時好きだったオトコ、
当時付き合ってたオトコ…が、
今も変わらず魅力的だったとき。
とても惜しいことをしたような、
逃した魚は大きかったような、
そんな気持ちになって身悶える。
そして密かに、
「もしあのまま…」とか
「もし今でも…」とか
ちょっとイケナイことを考えて、
やっぱり密かに身悶える。
そんな気持ちを抑えようと、
「私ってオトコを見る目アルじゃん。」と
自分を納得させようとする。
家に帰り、
ひとりになって、
「あー、なんでいつもこうなんだろう…」と
空虚な気持ちになる。
どんなに見る目があっても
オトコひとり捕まえられなきゃ
結局、負け犬なのだ。
ああ…。